#STUDY

2020.08.25

STUDY 01
飛沫感染対策
BARAN PARTITION

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 コロナ禍で世界中の人々の生活が変わってしまいました。スタジオワンダーは飲食会社のワンダークルーの傘下にあり、飲食業界の危機的状況も目の当たりにしています。なんだか暗いニュースばかりで生活がつまらなく感じてしまうこともあります。でも、こんな時だからこそ生活をちょっとしたアイデアで楽しめたらいいのにと思ったり。

 僕の主軸はグラフィックデザイナーですがプロダクトデザインにも興味があり、思いついたアイデアをストックしたりもしているのですが(今のところあまり世にでたアイデアはありません。)コロナだからこそ不必要でくだらないけど、笑えるものがいいなと、スタジオワンダーのスタッフと何かみんなで作ってみようと声をかけ、コロナ禍を楽しむ為にデザインをしてみることにしました。

 実用化できるもので製作コストの算出までをゴールとし、アイデアを練ってみることに。母体の飲食店を手助け出来るアイデアがあるとしたらどんなものがいいかと考え、コロナが蔓延して以降、会社に山ほど送られてくる営業メールにある飛沫感染対策のパーテションにオリジナリティがあればいいなとヒントを得て、「仕切り」をテーマにアイデア出しを行いました。急に機能として必要になったので沢山目にする機会が増えたが、どれも同じだなと思ったのがきっかけです。これが楽しくなったらどうなるんだろう。

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 仕切るものと言えば?というお題に対して案を出し合い「バラン」というアイデアが加藤さんから出ました。この瞬間「みんなバランバラン(ばらばら)で安心」というダジャレを思いついてしまいましたが、キャッチーでくだらなく、ちょっと暗くなった気分を明るくするにはこれくらいのアイデアが丁度いいと感じ作ることにしました。どんな感じがいいかまずはラフを起こしてみます。

BARAN

 インテリアデザイナーの森さん(このラフは森さんが描いたもの)と形と素材をどうするか同時に検討し、アクリルや木材…コストも踏まえ、素材をプラダンで検証することにしました。

 プラダンは強くて軽いプラスックでできたダンボールです。この素材の緑がとてもバランっぽくていい感じ。皆さんもあのバランをちゃんとイメージできるとこれに決定です。無事素材も決まりあとはディティールを詰めていきます。このディティール検証ではバランぽさや、形の面白さ、機能の全体をバランスをみながら決めていく感じです。

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 形を検証し、出来上がったものがこちら。

バラン型パーテション
バラン型パーテション


 プラダンの緑の素地そのままで製作することでチープながらにもバランらしさを追求したデザインです。ダジャレの割にはしっかり作れていると思いますがどうでしょう?ホーマックにも売っていそうなこの雰囲気が生活を想像させるデザインでとってもいい着地ができたと思います。形はデフォルメするよりも少しばらつきがある、バランの本物に近いほうがパーテションになっても面白いということで、この形状に。

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 次はバランバランをどう立てるか。机の際に別途パーツで挟み込むものを数種アイデア出しをしましたが、異素材のものだと本体のプラダンとの相性がいいものがあまりなく、いっそプラダンで全てを作ることに。モックアップを森さんが製作し、ステーの形も山状の小さなバラン型や白色などを検証、安定的なサイズも模索しシンプルな三角に決まりました。シンプルにしたのは使いやすさと本体を邪魔しないデザインがいいなということから。

バラン型パーテション
バラン型パーテション

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 さらにオリジナルの商品名、ロゴも作り、本番はギラギラのシルバーに印刷すれば完了です!商品名はもちろん「バランバラン」。文字もバランを感じさせるものにしながら少しダジャレモチーフであるアイデアに合わせたPOPな形状に。シールの色は数種あってもいいのですが、できればバランバラン本体に貼るときは相反色で目立つ赤などにするとより分かりやすいアプローチがチープでいいのではないかと考えました。チープでいいとはやはりダジャレから想起されたこのプロダクトにたいしてのトンマナとしてはまっているということです。

バランバランロゴ

 ちなみに商品価格は10枚だと一枚あたり3,600円前後、プラス梱包代・郵送代で製作可能です。海鮮居酒屋でお客様をまるでお寿司のように分けてみてはいかがでしょうか。お客様間で正面に置いてしまうともちろん顔が見えなくなっちゃうので、そこはアクリルのパーテションで、卓間はバランバランで飛沫感染対策! 
 今回のSTUDYではこの特異なコロナ蔓延状況下でも生活の中に楽しいと思えることがあるといいな。という想いを元に行ってみましたが、デザインはこういった経緯で生まれるものが多いように感じます。つまらない部分や、凝り固まった部分にこそアイデアを乗っけて機能的にも役割を果たしていく。今後もデザインやアイデアを形にして、ちょっとした楽しめることをみなさんの生活に届けることができればいいなと思います。